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カンナバロ鉄壁守備で準MVP/決勝

マテラッツィの同点ゴールを喜ぶカンナバロ(撮影 パオロ・ヌッチ)
マテラッツィの同点ゴールを喜ぶカンナバロ(撮影 パオロ・ヌッチ)

<決勝戦:イタリア1-1(PK5-3)フランス>◇9日◇ベルリン

 イタリア代表DFファビオ・カンナバロ(32)が、鉄壁の守備でチームをW杯制覇に導いた。7戦2失点で、98年大会のフランスに並ぶ最少失点での優勝を達成。代表100試合出場の節目の一戦でも主将としてチームをまとめ、準MVPに贈られるシルバーボール賞に輝いた。GKジャンルイジ・ブフォン(28)は無失点記録こそ逃したが、最優秀GKに与えられるヤシン賞を獲得。伝統のカテナチオを象徴する2人の活躍で、イタリアが24年ぶり4度目の頂点に立った。

 死闘にケリがついても、鉄のような結束の固さは変わらない。表彰式のクライマックス。カンナバロ主将が台の上に立ち上がり、W杯トロフィーを頭上に掲げた。あらかじめ用意された「お立ち台」でなく足場は不安定。だが、ほかの選手たちがカンナバロの下半身をがっちりつかんで離さない。崩れない、揺るがない。守備の堅さを象徴していた。

 「ファンタスティックな夜だ。今日の試合も苦しかった。長い年月の後にやっとトロフィーを家に持って帰れるよ」。濃いまゆをピクつかせながら、カンナバロは言った。今大会は、オウンゴールとPKによる2失点だけ。流れの中からは1度も崩れなかった。8年前にフランスが記録した最少失点Vに肩を並べた。

 後半7分、FWアンリの動きに惑わされて尻もちをついた。だが、そこから左足をさらに伸ばして、シュートをブロック。しつこく粘って、相手のエースに仕事をさせなかった。身長175センチ。センターバックとして物足りない高さは、ジャンプ力とタイミングで補い、制空権を握り続けた。

 イタリア代表史上3人目となる、Aマッチ出場100戦目。原点は、苦い思い出にある。地元ナポリで行われた90年大会準決勝イタリア-アルゼンチン戦。ボールボーイを務めていた16歳のカンナバロは、PK戦で敗れた母国を目の当たりにして泣いた。98年大会は先発した準々決勝フランス戦でPK負け。悔し涙も屈辱も、すべて晴らした。

 少年は、大人になった。荒れた大会の中、全7試合にフル出場し警告ゼロ。最後まで冷静さを保ち、完ぺきなパフォーマンスを見せた。準決勝前には、好調の要因について「食べ物に気を付け、よく寝て、セックスは少し。でもそれも必要なこと。たばこは吸わないし酒も飲まない。飲むとしたらコーラくらいだ」とジョークを交える余裕すらあった。

 大会MVPこそジダンに譲る形になったが、もっと大事なものを手に入れた。「人生は時に、素晴らしい贈り物がもたらされる。それは、世界最高のDFであるカンナバロと、トレゼゲのPK失敗を誘ったブフォンだと思っている」。リッピ監督の信頼も固かった。その証拠にこの夜、チームでただ1人、持ち帰れる権利を得たカンナバロの部屋に、輝くW杯トロフィーがあった。【佐々木一郎】

[2006年7月11日8時3分 紙面から]


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