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千葉巻に清水サポーター「お前がW杯へ」

ゲームを終え引き揚げる巻
ゲームを終え引き揚げる巻

 千葉FW巻誠一郎(25)が14日、日本代表のスコットランド戦から「中0日」でナビスコ杯予選リーグ清水戦(日本平)に出場した。1点リードされた後半29分から交代で入り、体を張ったプレーで存在感を見せつけた。W杯ドイツ大会のメンバー入りは厳しい状況だが、試合後には清水サポーターからも激励とエールを送られた。全力プレーで日本中を魅了した男は、15日のW杯メンバー発表を静かに待つ。

 シュート0本など関係なかった。試合終了後、巻を待っていたのは、敵であるはずの清水サポーター約500人だった。「ドイツに行けるぞ!」「マキさ~ん」「お前が必要だ!」。黄色い声援と野太い声が交じり合う。軽く会釈してバスに乗り込む巻の表情には満足感があふれていた。

 先発した9日のキリン杯ブルガリア戦では、日本代表で大会唯一の得点を記録。13日スコットランド戦も後半17分から出場してポストになり、ダイビングヘッドも狙った。W杯への狭き門を必死にこじ開けようという懸命な姿が多くの共感を呼んだ。後半29分から出場したこの日も、果敢なスライディングで相手ボールを奪い、相手GKの至近距離からのボールを頭ではね返した。「たくさんの人に応援してもらった。これで僕があきらめたら失礼。注目されて、モチベーションも上がっていった。悔いはありません」。

 13日午後10時に埼玉スタジアムを出発し、200キロを約3時間半ほどかけて静岡まで移動した。眠りに就いたのは午前2時半すぎで、睡眠時間は約5時間。だが「1、2年目はトップとサテライトに2日連続出場なんてことは、よくありました。今日はフル出場してもよかった。体も軽かった」と、平然としていた。前日プレーしてこの日も出場したのは巻1人だった。

 巻が千葉入りした03年、強化担当は現場から「巻の技術ではプロだと、通用しない。なぜ取ったんだ?」と聞かれたという。だがオシム監督の下、どんなことでも吸収し、自分に負けることなく努力したことで、着実に技術を伸ばしてきた。代表など夢でしかなかった男が、W杯にさえ手が届く存在に成長した。

 W杯メンバー入りは厳しい。しかし「今回のW杯のためだけにやってきたわけじゃない」と言った。やることはすべてやった。100%全力で戦ってきた。すがすがしい気持ちで15日の発表を待つ。【栗田文人】

[2006年5月15日8時49分 紙面から]


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