高原フランクフルト移籍決定
【ハンブルク(ドイツ)14日=西村友通信員】W杯日本代表の発表前日に、ハンブルガーSV(HSV)のFW高原直泰(26)のフランクフルトへの電撃移籍が決まった。契約期間は7月1日からの3年。高原はブンデスリーガ4季目の今季、リーグ戦21試合に出場も、フル出場は1試合もなく1得点に終わった。出場機会を求め、フランクフルトとは昨年末から交渉を続けていた。高原は15日にも帰国する。
悲願のドイツW杯を前に、高原が望みをかなえた。出場機会を求め昨年末から訴えていた移籍が、最終節ブレーメン戦の翌日、そして日本代表の発表という最高のタイミングで決まった。フランクフルトは移籍を求める高原に、最初に具体的なオファーを出したクラブだ。今年1月末には移籍決定の寸前まで交渉が進んだものの、新FWの補強に失敗したHSVが拒否。その後も交渉を継続していた。
フランクフルトは今季リーグ戦14位で辛くも残留を決めた。一方で、ドイツ杯では88年以来の決勝に進出。優勝したバイエルンがリーグも制し来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場を決めたため、UEFA杯出場権を獲得した。8強に進出した94-95年以来の同杯へ、補強は急務だった。左サイドバックにコンバートした元韓国代表FW車ドゥリをマインツに無償で放出し、代わりに攻撃の柱として高原を獲得した。
相思相愛ぶりは、クラブ側の対応にも表れた。HSVとクラブ間合意すると、すぐに公式サイトで高原獲得を発表した。「静岡生まれの攻撃的FWが新たなシーズンを我がクラブで迎える」としプロフィルを詳細に紹介。ブルフハーゲン会長も「高原は欲しかった選手で、冬にも1度取りに行った。獲得できて本当にうれしい」と声明を発表した。
13日のブレーメン戦で1-2と敗れた後、高原はすっきりした表情でHSV退団の意志を明らかにした。
高原 自分のプレーさえできれば、問題ない。ただチャンスがなかった。自分を出せるような状況をつくっていかなければいけない。
02年W杯日韓大会を肺動脈血栓塞栓(そくせん)症で棒に振った。4年後を目指し開催国ドイツに渡ったが、肝心の本番を控えた今季は21試合出場でフル出場は0。得点もわずか1に終わる苦悩のシーズンだった。人生をかけたW杯を前に、自らが求められる最高の環境を手にした。代表選出が確実視される高原の視線は、W杯1本に向けられる。
[2006年5月15日9時11分 紙面から]
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