俊輔ドイツ31年ぶり大寒波に防寒対策懸命

- 大雨の中の午後練習で、イレブンに指示を出すジーコ監督。後方は中沢
日本代表MF中村俊輔(27=セルティック)が31年ぶりの大寒波に震え上がった。ドイツ合宿6日目の1日、ボン市内は厳しい冷え込みに襲われ、6月初日の気温としては観測史上最低を記録した75年以来の寒さとなった。ドイツ入りしてから風邪気味の中村は懸命の防寒対策を施しているが、疲労の蓄積など寒さによる影響を懸念している。2-2引き分けと善戦したドイツ戦では光明が差したが、天候では暖かい太陽の光が見えてこない。
肌を刺すような、寒さだった。練習後、取材に応じた中村はジャージーのファスナーを目いっぱい上げて、口元を隠しながら話した。「寒いよね。疲れ? よくならないよ。こんなに寒いんじゃ…」。午前練習中の11時ごろの気温は7・2度。トレーニングウエアなど計4枚を着込んで臨み、練習後は熱いシャワーを浴びる。それでも耐えられないほどの寒さが、中村の表情を曇らせた。
ドイツ入りした後は雨が降ったりやんだりと、くずついた天候が続いている。その中でもこの日の冷え込みは異常だった。午後練習開始直前の午後4時でも9・4度。観測が始まってから6月初日の最高気温が最も低かったのは75年の14・1度で、逆に最高として78年には30度の真夏日もある。6月の平均気温は15・5度と例年なら快適に過ごせる時期だ。
それだけに午前中とはいえ7度台だった31年ぶりの寒波は想定外だった。2日以降は気温も上がると予想されている。だが、5月30日のドイツ戦ごろからは暖かくなると見られていたが、同日には雹(ひょう)が降るなど不安定なだけに今後の見通しは読みにくい。
中村は風邪気味だけに、寒さがこたえる。ドイツ行きの機内で体調維持のため眠らないつもりだったが、寝てしまって乾燥した空気にノドを痛めた。宿舎の部屋では暖房を一切使わず、風呂に湯を張って湯気で乾燥を防ぐなど回復と予防に努めている。それでも前日は体温が37度2分あった。ドイツ戦で右足小指を痛めてスパイクを履けないためプール調整を検討したが、微熱で回避せざるを得なかった。開幕まで2週間を切る中、連日の冷え込みが細部の調整に影響を与えている。
ジーコ監督も、今遠征にチームで唯一持ってきていたベンチコートを着込んで練習を見守り「サムイ…」と顔をしかめた。5月28日には20分弱だった練習前のアップも、この日は30分近くと入念。ほとんどの選手が手袋を着用し、防寒対策を施した。DF宮本は「監督からも、寒いのでケガしないように言われている」と細心の注意を払っていることを明かした。
体が万全でない分、頭の準備を整える。中村の部屋は主に分析を担当する和田スタッフと隣で、正面の部屋は同スタッフが使用するビデオなどの機材が設置されている。時間を見つけては足を運び、対戦国の情報やドイツ戦のプレーを分析。「そういうことをしておけば、対応できる」と時間を有効活用している。
「Jリーグでも高校でもいろいろやってきて(試合への体調の)合わせ方は分かっている」と中村は前を向く。だが、天候ばかりは己の力で変えることはできない。太陽が見えることを願いつつ、できる限りW杯への準備を進めていく。【広重竜太郎】
[2006年6月2日8時49分 紙面から]
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