このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー

ホーム > 2006年ドイツW杯 > 紙面から > ニュース



ジーコの罠、オフサイドトラップ練習

守備のセットプレー練習をするMF中田英(中央)ら日本代表イレブン
守備のセットプレー練習をするMF中田英(中央)ら日本代表イレブン

 えっ!? 本当にやるの? ジーコジャパンが決戦2日前に「禁じ手」を解禁した。日本代表は10日午後、12日の1次リーグ初戦オーストラリア戦(カイザースラウテルン)を前にボン市内で、試合開催地へ移動前の最終調整を行った。リスタートからの守備確認では、ジーコ体制では封印されていたオフサイドトラップのオプションを初採用。相手の高さに頭脳戦で挑む構えを見せたが、選手はそれについて一切口をつぐんだ。ぶっつけ本番で危険な賭けに出るのか、それとも情報戦か…。運命のキックオフは午後3時(日本時間同10時)だ。

 えっ、これって…。オーストラリアとの決戦2日前に、仰天の光景が繰り広げられた。ジーコ体制で1度も練習していないオフサイドトラップ。FKなどで意図的にDFラインを上げ、相手をオフサイドにする高等戦術だが、これまでの封印が突然に解かれた。

 CK、ロングスローとリスタートの守備確認が続き、FKの場面で「異変」が起こった。直前にジーコ監督が守備陣に与えた指示が、相手に罠(わな)にかけるオフサイドトラップだった。敵役のMF小笠原がFKを蹴る直前に、宮本、中沢らのDFラインが一斉に上がる。FK守備は左8本のうち3本、右は13本のうち2本でトラップをかけた。

 ジーコ監督が守備面で与える数少ない約束事の1つが「ディフェンスは必ず1人が余ること」。02年W杯でトルシエ前監督が「フラット3」と呼んだ3バックは積極的にラインを上げて罠を仕掛けたが、ジーコ体制では流れの中でさえ組織的なオフサイドトラップは「禁じ手」だった。

 オーストラリアの高さ、フィジカルの強さに対抗する手段の1つだが、危険な賭けともいえる。はまれば相手との接触が避けられる有効手段。しかし、DFラインを上げるタイミングが数秒でもズレれば、ゴールを守るのはGKだけとなって決定的なピンチを招くリスクがある。だから、ジーコ監督も推奨してこなかった。

 9日夜に守備陣だけが集まり、オーストラリアのセットプレーを編集したビデオを分析したという。だが、この日の練習後、選手は誰もオフサイドトラップについて答えなかった。中沢は「極秘です」と2度繰り返した。宮本も「そのことは聞かないでください。ぶっつけ? トルシエの時にもやってますから」と真相をはぐらかした。

 ジーコ監督のポリシーは「練習でやったことがないことは、試合ではやらない」。それでも2日前に初練習した戦術を本番でやるのはギャンブル過ぎる。海外メディア、一般ファンにもオープンにされた練習で明かした秘策は、敵将ヒディンクへの陽動作戦なのか。カンガルーズ(オーストラリア代表)を捕獲する罠が、既に仕掛けられたのかもしれない。【西尾雅治】

[2006年6月11日9時31分 紙面から]


最新ニュース

記事バックナンバー


ここからサイドエリア

 

このページの先頭へ

ここからフッターエリア